男心?女心?【科学的根拠あり】
こんにちは。伊勢です。
本ブログでは教育、ビジネス、恋愛など身近な現象を心理学的に考察していきます。
今回のテーマは「男心と女心」についてです。
「男と女は分かり合えない」
異性間でうまくコミュニケーションが取れない時、よく口にしてしまうワードですが、心理学的には、
異性に対する考え方や行動には性差(性別による違い)が存在するのか
が争点となりそうです。
その前に、恋愛を語るときに必ず出てくるのが「吊り橋効果」です。
人間は一定の覚醒状態(ドキドキしている状態)にあるときに目の前にいる異性に好意を持ちやすくなる理論です。
こちらはアロンとダットン(1974)の実験になります。ここで、実験内容を整理しましょう。
【実験内容】
①男性をA, Bの2グループに分ける.
②両グループに橋(A 高さ70mのつり橋、B 高さ3mの石橋)を渡ってもらい渡った先にいる人(仕掛け人)から実験の説明を受ける.
③一通り説明を受けた後、仕掛け人から「わからないことがあったら連絡してください」と電話番号を渡される.
【実験結果】
①つり橋を渡ったグループの方が石橋を渡ったグループよりも仕掛け人に電話をかけてきた割合が多かった.
②仕掛け人が男性の場合、電話をかけてきた割合に違いがなかった.
③つり橋を渡った時のドキドキを恋愛しているときのドキドキと勘違いしていると結論付けられた.
この実験を受け、デートは遊園地やホラー映画を見に行った方が良いというアドバイスが多くなりました。
しかし、この実験は男性にしか実験しておらず、果たして女性にも同じことが言えるかはわからないのです。
全く同じ状況ではないのですが、女性の男性に対するアプローチを調べたものではクラークとハットフィールド(1989)の「ナンパ実験」が有名です。これもおさらいします。
【実験内容】
①大学のキャンパス内にて構内を一人で歩いている学生に歩み魅力的な女性(男性)寄り3種類のうちどれか1つ質問をする.
②質問は次の3つ
ア 一緒にお出かけしませんか?
イ 私の家に来ませんか?
ウ 一緒に寝ませんか?
③各質問に「イエス」を出す割合に男女で違いはあるのか.
【実験結果】
①男女ともアの質問には5割程度の割合でイエスを出した.
②イ、ウの質問には男性では7割がイエスを出したが、女性はイエスを出した割合は1割未満にとどまった.
③異性からのアプローチへの反応は男女で大きく違うことが明らかになった。
このクラークとハットフィールドの研究によって異性からのアプローチに対する反応には性差が存在することが分かりました。
簡単にまとめると
①男性は女性からのアプローチには積極的である.
②女性は男性からのアプローチには保守的である.
以上の事から、吊り橋効果は女性よりも男性の方が効果を発揮することが考えられます。
吊り橋効果を狙って女性を遊園地やホラー映画に誘うのは、女性の信頼を得られるようなコミュニケーションをとってからの方がよさそうです。
ここで大事なのは「理解」です。
男性と女性では異性のアプローチに対する反応が違うことを理解して、より良い関係を気づけるようにしていきましょう!
【参考文献】
吊り橋効果の研究は
Dutton, D. G. & Aron, A. P.(1974). Some evidence for heightened sexual attraction under conditions of high axiety. Journal of ersonality and Social Psychology, 30, 510-517.
ナンパ実験の研究は
Clark,R.,D, & Hatfield, E .(1989)Gender Differences in Receptivity to Sexual Offers,Journal of Psychology & Human Sexuality,2,39-55.