イケメンや美人が得ばかりするのか論争【根拠を持って決着させます】

こんにちは伊勢です。

このブログではビジネス、教育、恋愛など皆さんの身近に起こる様々な現象について心理学的に考察していきます。

本日のテーマは「イケメンや美人が得ばかりするのか」についてです。

前回のブログで外見的魅力(イケメンや美人のこと)がある人が、初対面の人から親切にされることを書きました。

その時のブログについてはこちらをご覧ください。

isetada.hatenablog.com

 

もちろん人との関わりなので、外見に自信のない人でも、コミニケーションをしっかりとることで周りの人から優しくされる事は大いにあり得ます。

では外見的魅力がある人が、常に他人から優しくされ、得をするものなのでしょうか。

外見的魅力は人の印象を決める上で重要な手がかりになりますが、人との関わりや使い方によってはマイナスに働くこともあるようです。

外見的魅力がマイナスの方向に働いてしまうことを明らかにした研究があるので見てみましょう。

外見的な魅力が悪い方向に働くことはあるかどうかをシガールとオストローブ(1975)は「模擬裁判実験」をとして明らかにしました。

 

実験内容
①実験参加者は模擬裁判で容姿の異なる女性の写真を見て、被告に対してどのくらいの刑罰が適当かを判断する。
②犯罪は「盗み」と「詐欺(男性をだましてお金を取る)」の2種類。
③被告人は3種類の女性(A.魅力的、B.魅力的じゃない、C.写真なし)。
④外見的な魅力のちがいで刑罰の重さに違いはあるのか。

実験結果
①「盗み」に関する刑罰においては「A.魅力的な女性」は他の2人(B,C)に比べて刑罰が軽くなった。
②しかし、「詐欺(男性をだましてお金を取る)」に関する刑罰においては「A.魅力的な女性」は他の2人(B,C)に比べて刑罰が重くなった。
③美人な女性はその美貌の利用の仕方を誤ると評価を落としてしまう。

 

この研究から言える事は一般的なマイナスな事象に関して言えば、外見的魅力がプラスに働きそうですが、一度その外見的魅力を利用したと判断された場合、通常よりも重い反応が返ってくることがわかります。

簡単に言えば、

 

「可愛いのはわかるけどあまり調子に乗るなよ」

 

ということになります。

以前あるテレビ番組で、美人が得をすることをこの実験を出して主張していました。

この実験は外見的魅力は良い方向にも悪い方向にも働くことを主張しているにも関わらず、番組の都合で一部のみ切り取られて放送されていたことに腹立たしさを感じたのを覚えています。

外見的な魅力は環境によって、立場によって、評価する人の好みによっても変わってきます。

人の第一印象を決める上でとても重要な要素になりますが、やはり謙虚にそしてしっかりと人とコミュニケーションを取れる人が信頼関係を築けることを研究です。

私も、嘘偽りなく、皆さんの学びのお手伝いができると幸いです。

 

【参考文献】

シガールとオストローブの実験は

Sigall,H. Ostrove, N(1975)Beautiful but dangerous : effect of offender attractiveness and nature of the crime on judgment. Journal of Personality and Social Psychology. 31. pp.410-414.