キャッシュレス化はお得か【現金を使うことの心理的抵抗】
こんにちは伊勢です。
ですこのブログではビジネス、教育、恋愛など皆さんの身近に起こる様々な現象を心理学的に考察していきます。
今回のテーマは「現金支払とキャッシュレス化」についてです。
皆さんは現在モノを買うときや何かサービスを受けるとき現金で支払いをしていますか?
現在はキャッシュレス化が進み、現金を持ち歩かなくてもモノが購入できたり、様々なサービスを受けることができたりします。
クレジットカードカードも普及し、その場で現金を持っていなくてもモノを購入することができます。
キャッシュレスのサービスもが大きく進歩し、国や時代もキャッシュレス化を推し進めていますが、果たしてキャッシュレス化は本当に便利で皆さんにとって有益なものなのでしょうか。
ここでキャッシュレス化について考えるにあたり、現金を使うことによる心理を見ていく必要があります。
現金を支払うことによる心理を明らかにした研究がありますのでご紹介します。
ソーマン(2003)は商品価格の提示方法や代金の支払い方法の違いで支払許容額(個人がある商品に支払ってもよいと考える最高額)が変化する心理として「支払いの実感度」を提唱しました。
【支払いの実感度とは】
①現金での支払いは資源の減少を目の前で目撃することにより、支払いの実感度は高くなり支払許容額は低くなる。
②逆にクレジットカード支払いやオンライン決済は資源の減少が見えにくいため、支払いの実感度は低くなり、支払許容額は高くなる。
③現金に焦点を当てても硬貨よりも紙幣の方が支払いの実感度は低くなる。
この研究による支払許容額というのは「個人がある商品に支払ってもよいと考える最高額」であって個人で額は変わってきます。
つまり、この実験では現金を使うことの方がキャッシュレス化された支払いよりもお金を使うことに抵抗があることを明らかにしています。
逆を言えば現在キャッシュレス化が進み、支払い許容額が高くなることによりサービス提供者は得をする可能性があります。
現金で支払うこともキャッシュレス化を進めることもどちらもメリットとデメリットがもちろんあります。
キャッシュレスで買い物する時は、現金で支払うよりも支払う額が高くなってしまう事実を知っておくことは重要です。
皆さんの学びにのお手伝いができれば幸いです。
【参考文献】
ソーマの研究は
oman, D.(2003)The Effect of Payment Transparency on Consumption: Quasi-experiments from the field, Marketing Letters, 14(3), 173-183.