心理学から読み解くシリーズ①「理想のデートはこれだ!」

こんにちは。伊勢です。

このブログではみなさんの日常で起こる現象を科学的に考察し、ともに楽しく学べるような内容を発信してまいります。

今回は「理想的なデート」について考えてみます。

 

好きな人ができた時、まず顔見知りになりますね。

顔見知りになってすぐ告白する人はいないと思います。

まずはデートを重ねて、お互いの理解を深めてから想いを伝えるのが自然で、告白の成功率も上がってきます。

 

今回のブログでは、「理想のデート5ポイント」と題して、デートをした際、好印象で終わる(また会いたい、一緒にいたいと思ってもらえる)ためのポイントを5つのステップに分けてお話したいと思います。

今回お話しするポイントは男女問わず応用できるものなので、男性も女性も自身の感覚と結びつけながら読んでいただければと思います。

 

まず、おさえておきたい各ポイントです。

ポイント① 身だしなみをあなどるな!

ポイント② 遊園地には行くな!

ポイント③ 遊びに行くなら映画館にしよう!

ポイント④ 食事の時でも気は抜くな!

ポイント⑤ 告白の仕方で運命が決まるぞ!

以上の5つのポイントを私なりにの考察を含めながらお話したいと思います。

 

【理想のデート】ポイント① 身だしなみをあなどるな!

付き合ってもない男女であればデートの印象は今後の行方を左右すると言っても過言ではありません。

言うまでもありませんが、ビジネスや教育などイベントごとでは「準備が8割を占める」と言われています。

デートも同じです。

待ち合わせの段階で相手からの評価は始まっていると思ってください。

せっかくのデートです遅刻するなんて問題外ですが、もう一歩踏み込んで好印象に向けたポイントをお話しできればと思います。

ここでお話しする身だしなみとは「服装」と「香り」のことです。

 

服装については着るもので変わってきますが、最初のデートであれば「清潔感」があれば問題ないと思います。

ここで服装についてのポイントですが「赤」を身につけてください。

ロチェスター大学のエリオット博士は(2008)は、人は赤いものを身につけることで魅力度が増す「ロマンティックレッド効果」を提唱しました。


〈ロマンティックレッド効果とは〉
@男性は赤い服を着た女性に魅力を感じる。
@女性は赤い服を着た男性に力強さを感じる。
@服だけでなく、男性ならハンカチやネクタイ、女性ならバッグやネックレスでも効果がある。

 

ここでポイントとなるのは赤い服を着なくても良いことです。

男性なハンカチやネクタイなどの小物に赤を入れるのも良いでしょう。

女性ならバックやネックレスといった目につきやすいものに赤を取り入れるのが効果的です。

せっかくの勝負服です。

赤いワンポイントでご自身の魅力をアップさせましょう。

 

もうひとつの身だしなみのポイントとして「香り」があります。

人間の記憶は匂いと一緒に結びつくので、よい香りがする人とのデートは心地よい思い出となって記憶されます。

大事なのは、さりげなくです。

きつい香水の香りは逆に気分が悪くなり、よい思い出にはなりません。

 

【理想のデート】ポイント② 遊園地には行くな!

デートには遊園地が最適だと思っていませんか?

付き合っているカップルには遊園地は良いデートスポットです。

しかし、まだ付き合っていない男女がデートで行く場所としては心理学的にはあまりおすすめできません。

 

「吊り橋効果」を狙ったと思いますが、このブログを読んだら遊園地はデートに適さないことがすぐわかると思います。

 

2003年のテキサス大学の研究はジェットコースターに乗った男女はパートナーに感じる魅力度が乗る前に比べて下がることが分かっています。

ジェットコースター以外にも遊園地にはお化け屋敷もあります。1981年のホワイトらの研究によると、ホラー映像を見た男女も異性の魅力を低く評価する傾向がありました。

 

吊り橋効果を狙ってむりやりドキドキさせてもさせすぎることによって心理的に負担がかかるだけなんですね。

 

このような理由から、ジェットコースターもお化け屋敷も人気のアトラクションですが、遊園地は最初のデートには適していないと言えます。

 

【理想のデート】ポイント③ 遊びに行くなら映画館にしよう!

では遊園地がダメなら、最初のデートはどこに行くのがよいでしょう?

 

結論からいうと「映画」はよいといえます。

ただ、いきなりラブロマンスは引かれますし、ホラー映画はお化け屋敷と同じになってしまいます。

 

映画でおすすめするのは「サスペンス映画」です。

ホラーよりは軽くてやや緊張感のあるものが良いですね。

1989年のフロリダ大学の研究ではサスペンス映画を見たカップルは映画を観終わった後、密着度(ボディタッチや会話)が高まったという結果を出しています。

 

大事なのは「ほどよい緊張感」を演出することです。

遊園地でも観覧車くらいなら良いと思いますが、それだけだとちょっと味気ないですよね。

 

【理想のデート】ポイント④ 食事の時でも気は抜くな!

映画館に行ったあとは、食事をしましょう。

おいしい食事をするとテンションが上がり、会話も弾むことをの研究で明らかになっています。

これを「ランチョン効果」とも言います。

おいしい食事に楽しい会話ができれば印象がよくなること間違いないです。

 

未成年でなければ、お酒を楽しむことをおすすめします。

2011年ボンド大学の研究によれば、人は血中のアルコール濃度が高くなるにつれて目の前にいる異性を魅力的に感じる結果を得ています。

これを「ビールゴーグル効果」とも言います。

もちろん飲みすぎてはいけません。

お酒を飲んでも自分を保つのが重要です。

お酒の席だからといって気を抜いててはいけませんよ。

 

【理想のデート】ポイント⑤ 告白の仕方で運命が決まるぞ!

サスペンス映画を見てほどよい緊張があり、おいしい食事でテンションも上がったところで、いよいよ告白の時間です。

心臓はバクバクだと思いますが、冷静になってください。

告白の仕方の違いでokの割合が変わります。

2004年北星学園大学の研究によれば、告白には下の5つのパターンがあります。

1.  「好きです(宣言)」

2. 「付き合ってください(要求)」

3. 「好きです+付き合ってください(宣言+要求)」

4. 「遠まわし」

5. 「その他」

この5つの中で1番成功率が高いのは「3. 宣言+要求」のパターンです。

 

つまり告白も「わかりやすい」のが良いのです。

「好きです」だけでは「じゃあどうすればいいの?」と相手を不安にさせてしまいます。

大事なのは相手に「心理的不安」を与えないことです。

「はい」もしくは「いいえ」で答えられるような告白をすることで自分の印象も悪くせずにすみます。

 

以上、理想のデートについて心理学的に考えてみました。

大事なのは根拠です。

みなさんの真の学びのために、お話しできることを発信していきたいと考えています。

 

参考文献

ロマンティックレッドの研究はこちら

Elliot, A. J., & Ross, Niesta, D.(2008)Romantic red: Red enhances men’s attraction to women. Journal of Personality and social Psychology, 95, 1150-1164.

香りと記憶についての研究はこちら

Engen, T., & Ross, B. M.(1973)Long-term memory of odors with and without verbal descriptions. Journal of Experimental Psychology, 100, 221-227.

ジェットコースターについての研究はこちら

Meston, C. M., & Frohlich, P. F. 2003 Love at first fright: Partner salience moderates roller-coaster-induced excitation transfer. Arhives of Sexual Behavior, 32, 537-544.

ホラー映像についての研究はこちら

White, G. L., Fishbein, S., & Rutstein, J. 1981 Passionate love and the misattribution of arousal. Journal of Personality and social Psychology, 41, 56-62.

サスペンス映画についての研究はこちら

cohen, B., Waugh, G., & Place, K. 1989 At the movies: An unobtrustive study of arousal-attraction. Journal of Social Psychology, 129, 691-693.

ランチョン効果についてはこちら

Janis, I. L., Kaye, D., & Kirschner, P.(1965)Facilitating effects of “Eating-While-Reading” on responsiveness to persuasive communications. Journal of Personality and Social Psychology, 1, 181-186.

ビールゴーグル効果についてはこちら

Lyvers, M., Cholakians, E., Puorro, M., & Sundram, S. 2011 Beer goggles: Blood alcohol concentration in relation to attractiveness ratings for unfamiliar opposite sex faces in naturalistic settings. The Journal of Social Psychology, 151(1), 105-112.

告白の方法についての研究はこちら

栗林克匡(2004)恋愛における告白の成否の規定要因に関する研究. 北星学園大学社会福祉学部北星論集.41.pp.75-83.