要求を通す交渉術【学術的根拠あり】

こんにちは伊勢です。

このブログではビジネス、教育、恋愛など皆さんの身近にある現象を心理学的に考察していきます。

今回のテーマは「要求を通す交渉術」です。

ビジネスの世界ではギャランティーや仕事の役割分担など交渉がつきものです。

この交渉によって後の仕事のやりやすさや立場が決まってきます。

巷にあふれるマナー講座や心理学本にも仕草や言葉遣い、要求の手順など交渉の時に使えるスキルが書いてありますが、本質的な心理面についてはあまり書かれているものがありません。

では、私たちは交渉を行う際、どのような心構えで交渉を行うのが良いのでしょうか?

講師を行う際の心理的について面白い研究があるのでご紹介します。

 営業先や取引先などで交渉を行うときは、相手の立場になって譲ることも必要であることとをコッペルマン(2006)は実験を通して検証しています。

研究の内容を見てみましょう・


【実験内容】
①実験対象者は274人の大学生に2人1組になってもらい、取引先と交渉役に分かれる。
②交渉役には「頑固に対立を恐れず交渉」、「パートナーと仲良くなって交渉」の2つのパターンで交渉してもらう。
③交渉後、どちらのタイプが「将来一緒に仕事をしたいか」選んでもらう。

 

【実験結果】
①結果として「一緒に仕事をしたい」と選択された割合は「パートナーと仲良くなって交渉」の方が「頑固に対立を恐れず交渉」よりも高かった。
②西洋問わず、一時的な勝利や成功よりも、パートナーシップの重要性を説いている。
③仕事で交渉を行うときは、相手の主張を肯定しながら相手の譲歩を引き出すことが必要である。

 

この研究の面白いところはその場の交渉の成立や不成立だけでなく「一緒に仕事をしたいか」という観点から調査を行ったところです。

ビジネスはもちろん、教育や恋愛も人とのかかわりの中で生まれる産物です。

特にビジネスの世界ではその場の交渉も大事ですが、長期にわたって売り上げを出すことも非常に重要です。

売り上げを上げるために何をすれば良いのか

どのような心持ちで交渉を行うのが良いのか

この研究では友好関係を築いてから交渉行うのが良い良いとされています。

もちろん、人と友好関係を結ぶためのスキルも心理学の世界では存在します、それはまた別の機会にお話ししたいと思います。

皆さんの学びのお手伝いに少しでもお役に立てれば幸いです。

 

【参考文献】

交渉時の心構えについての文献は

Kopelman, S., Rosette, A. S., & Thompson, L.(2006)The three faces of Eve: Strategic displays of positive, negative, and neutral emotions in negotiations. Organaizational Behavior and Human Decision Processes, 99, 81-101.