落ち込んでいるときは恋に落ちやすいのか?【条件はイケメンであること】

みなさんこんにちは伊勢です。

このブログではビジネス、教育、恋愛などみなさんの身近に起こる様々な現象を科学的に説明していきます。

今回のテーマは「落ち込んでいるときは恋に落ちやすいか」です。

人を好きになるには、いろいろなタイミングや条件が必要ですが、人間には恋に落ちやすい条件や環境はあるのでしょうか。

 

仕事や友人関係で悩んでいた時に相談に乗ってもらった人を好きになった

好きな人がいて相談に乗ってもらっていた異性を好きになってしまった

恋人にふられて落ち込んでいた時になぐさめてくれた人を人を好きになってしまった

 

そんな恋愛話は話はよく耳にします。

では人間は本当に落ち込んでいる時に恋に落ちやすいのでしょうか。

「恋に落ちる」現象は心理学的には「恋愛感情を抱く」とも言われており、子孫繁栄のために必要な現象であるともいえます。

人は落ち込んでいるときに恋愛感情抱きやすいことを実験によって調査した研究がありますのでご紹介します。

ウォルスター(1965)は人は落ち込んでいるときほど恋愛感情を抱きやすいということを以下の実験によって明らかにしました。

 

【実験内容】
①最初に実験対象者の女子学生に男子学生がデートに誘う。

②次に女子学生はテストを受ける。

③女子学生を「テストの評価が低いグループ」と「テストの評価が高いグループ」に分け、それぞれの女子学生にテストの評価を告げる。

④テストの評価が低いと告げられた女子学生は男子学生のデートの誘いを受け入れるか。

 

【実験結果】
①テストの評価が低いと告げられた女子学生は、テストの評価が良かったと告げられた女子学生よりもデートの誘いを受ける率が高くなった。

②自己評価が低い自分に対して高い評価をくれる人に好意を抱くことを「マイナスの自尊理論」という。

③ちなみに、この実験でデートに誘う役を務めたのはイケメンである。

 

落ち込んでいる状態のことを心理学的には「自己評価が低下している状態」とも表現します。

自己評価が低いと認識してしまった女子学生は、自己評価をが高い女子学生よりも男子学生のからのデートの誘いを受け入れる率が高いことがこの実験から明らかになっています。

ここで怖いのは、評価するのは女子学生本人ではなく、評価者が別にいたと言うことです。

女子学生はテストの出来うんぬんよりも外部の評価によって自己評価を高くしたり低くしたりしたわけです。

つまり自己評価を下げてしまう環境は、本人が作り出したわけではなく、コントロールすることが可能ということになります。

だからといって、気になる人を落ち込ませたり、嫌な思いをさせたりするのは良くありません。

この研究では、恋愛感情抱くことは偶然ではなく、ある一定の設定や条件によって恋愛感情を抱きやすいことを教えてくれます。

そして何より、デートに誘うのはイケメンが良いことも否定はできません。

外見的魅力は良いことがプラスに働く事は以前のブログでも書いています。

もしよければそちらもご覧ください。

isetada.hatenablog.com

皆さんの学びに少しでもお役に立てれば幸いです。

 

【参考文献】

Walster, E.(1965)The effect of self-esteem on romantic liking. Journal of Experimental Social Psychology, 1, 184-197.

ギャップは本当に好印象か【心理実験からみる好感度】

こんにちは伊勢です。

このブログではビジネス、教育、恋愛など皆様の身近に起こる様々な現象を科学的に説明していきます。

今回のテーマは「ギャップが本当に好印象なのか」についてです。

ギャップが好印象につながる事は、恋愛の世界において当たり前のことのように言われてきました。

アニメの世界でも、ちょっと生意気な後輩の男の子が帰り道に捨て猫と戯れているところを見てキュンときちゃったなんてシーンも見たことがあります。

ギャップというのは本来「隙間」という意味です。

コミニケーションにおいて、特に見た目やその人の能力と実際の行動において幅が大きいことが好印象につながると言われています。

具体的に言えばイケメンなのにギャグばっかり言う、学歴が高いのにドジばかりする、仕事ができるのに料理はできない、具合です。

ではこのギャップは誰が、いつ、使っても好印象を得られるのでしょうか。

このギャップについては使うタイミングや相手が自分に対してどういう印象を持っているかによって好印象なのか悪印象なのか決まってくるようです。

それではギャップについての研究を見ていきましょう。

ギャップを見せることは本当に効果があるのかをアロンソンら(1966)は「ギャップ好感度実験」によって明らかにしました。

 

【実験内容】
①実験参加者は、ラジオから流れてくるクイズ番組を聴収し、その回答者に対する好感度を評定する。
②解答者は「秀才(全問正解)」と「普通の人(3割ほど正解)」の2種類。
③クイズ終了直後のふたりの好感度はかわらない。
④クイズ後のラジオ中、両回答者がコーヒーをこぼす。
⑤ラジオ終了後、実験参加者は、それぞれの回答者に対する好感度を評定。

【実験結果】
①コーヒーをこぼした後の評価は、秀才は上がり、普通の人は下がった。
②自虐ネタやギャップを見せることは相手が自分に好意的な印象を持っていれば効果がある。
③逆に自分に好意的ではない、もしくは無関心の相手に自虐ネタやギャップを見せても効果がないどころか、評価を下げてしまう危険性がある。

 

この研究から、ギャップは相手から見て少し憧れるようなプラスの要素(外見的魅力がある、頭が良い、仕事ができる等)がある場合、マイナスのギャップが好印象につながることがわかります。

したがって、逆にもともと相手から見てあまり良い印象でない人がマイナスのギャップを見せたとしてもただただ悪い印象になるだけです。

なのでギャップを見せれば好印象を得られるという安易な考えは捨てて、まずは相手にとって自分が良い印象を得られるようにコミニケーションをとることが大切です。

そこからギャップを見せる意味が出てくるのです。

大事なのは科学的な根拠です。

これまで言われてきたなんとなくの知識が皆さんにとって確信的な経験になるようにお手伝いができれば幸いです。

 

【参考文献】

Aronson, E., Willerman., Floyd, J.(1966)The effect of a pratfall on increasing interpersonal attractiveness. Psychonomic Science.4.pp.227-228.

親の意見となすびの花は千に一つの無駄はないのか?【スリーパー効果から読み解いてみる】

こんにちは伊勢です。

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今回は少し趣向を変えて、日本に昔からあることわざについて考察していきます。

皆さんは

「親の意見と茄子の花は千に1つの無駄もない」

ということわざをご存知ですか。

茄子は花が咲くと必ず実をつけることから、親の意見には何一つ間無駄がないと言う意味のことわざです。

私は昔、親の意見と茄子の花は「万」に1つの無駄もないと教えられ、学生時代に親の意見聞きすぎじゃないかとからかわれた思い出があります。

年頃になると親や先生の言う事は聞き入れ難く、友達や信頼する先輩の意見など心理的な抵抗が少ない人の話を聞きたくなるものです。

親や先生が自分のことを思っていてもなかなか心理的な抵抗があり意見を聞き入れにくいというのも事実だと思います。

ここで質問ですが、親の意見や教師の言うことよりも友達や先輩の言っていることの方が実際に自分のためになっているのでしょうか?

これについては心理学的に「スリーパー効果」と呼ばれ、最終的には「話す内容」が「誰が話す」よりもその本人に影響与えることがわかっています。

それではスリーパー効果についてご紹介します。

 ホブランド(1951)は話し手の信頼性と内容の受け入れに違いがあるのかを「スリーパー効果」によって説明しています。

 

【スリーパー効果】
①同じ内容でもの話を聞いた直後は信頼の高い人の話は受け入れられやすい(行動が変わりやすい)。
②しかし、しばらくするとその話の影響知力は減少し、もとの意見の方に戻って影響が少なくなる。
③結局は話をする「人」よりも「内容」の方が聞き手に影響を及ぼすことになる。

 

スリーパー効果は、最初に聞く人によって抵抗が違くても、最終的に影響を及ぼすのは内容であることを説明してくれます。

確かに私も学生時代、先生や親に言われた事は少しわずらわしく感じ、あえて抵抗もしていました。

しかし、今になるとあの時先生が言っていたことや親に言われた事は間違ってなかったかもしれないと思うようにもなりました。

本当に自分のことを思って意見をしてくれる人の内容は、必ずご自身に影響も良い影響もたらしてくれます。

私も誰かに良い影響与えられるような意見や情報提供ができるように、日々努力して参ります。

皆様の学びに幸あれ!

 

【参考文献】

スリーパー効果についての研究は

Hovland, C. J., & Weiss, W.(1951)The influence of source credibility on communicasion effectiveness. Public Opinion Quarterly.15. pp. 635 – 650.

テキスト学習の決定版【SQ3R法】

こんにちは伊勢です。

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今回は「テキスト学習の決定版」というテーマでやっていきます。

皆さんは勉強をする時、教科書を読んだり、本を読んだり、パソコンで動画を見たりしながら勉強すると思います。

学習効率の良い勉強の仕方はいろいろありますが、今回はテキストを用いた際の勉強方法についてお話ししていきます。

テキストを使った勉強法については1961年にロビンソンが開発した「SQ3R法」という理論があり、効率的に勉強するにはこちらがとても有効になります。

それではスリーSQ3R法をご紹介します。

自分でテキストを読解して学習するときに効果的な方法として、ロビンソン(1961)は「SQ3R法」を提唱しています。

 

【SQ3Rとは】
① S(survey): 要点の把握
② Q(question): 学ぶ内容に関連する問いを考える。
③ R(read): Qに答えられるようにテキストを読む。
④ R(recite): テキストを読み終えた後、テキストを見ずにQに答える。
⑤ R(review): テキスト内の要点を関連付ける。

 

私の経験上、大抵の人は①の「S」の部分だけで終わっているような気がします。

学習と言うのはある1個の事柄を記憶するのではなく、その1個の事柄からいろいろなことを関連付けて覚えることに意味があります。

このSQ3R法は最初は1人で行うのは難しいかもしれません。

友達や家族、先生と一緒に楽しみながらSQ3R法を実践できると皆さんの学習もより質の高いものになります。

せっかく勉強するのですから、効率よく楽しく学びましょう。

皆さんの学びのお手伝いができれば幸いです。

 

【参考文献】

SQ3R法についての研究は

Robinson, F. P.(1961)Effective study. New York: Harper & Brothers, Publishers.

 

 

 

【研究で明らかになった!】社長はアソコがでかい

こんにちは伊勢です。

このブログではビジネス、教育、恋愛など皆さんの身近に起こる様々な現象について心理学的に考察していきます。

今回のテーマは「社長はアソコがでかい」です。

皆さんは社長になるような人にはどのような特徴があると思いますか。

経営のセンス

クリエイティブな発想

豊富な資金

会社を経営する人はいろいろな能力と努力があって事業を継続させています。

会社を経営経営するのに必要な能力はたくさんありますが、社長になる人の身体的な特徴もあるようです。

今回は社長の身体的特徴についてお話しします。

昨今の研究によると、社長になるような人は身体的な特徴として「アソコが大きい」という特徴があげられるそうでそうです。

一般的にはあそこが大きい事はもしかすると恥ずかしいことかもしれませんが、経営の世界ではもしかすると誇るべきことなのかもしれません。

それでは社長の身体的特徴を研究したものがありますのでそちらをご紹介します。

エレウィン(2011)は業績の良い企業のCEO(最高経営責任者)の身体的な特徴を調査によって明らかにしました。

 

【調査内容】
①対象はアメリカの優良企業500社.
②各企業のCEOの顔写真の顔の横と縦の比率を調べる.
③加えて、各企業の利益率も調べる.

 

【調査結果】
①顔の横の比率が大きい(顔が大きい)CEOが率いる企業の方が、業績が良かった。
②顔が大きい人は経営に必要な要素(判断力や観察力など)を持ち合わせている人が多い可能性がある。

 

いかがでしょうか。

今回の「アソコ」というのは「顔」のことです。

業績の良い企業の社長は顔が大きいことが調査によって明らかになりました。

いろいろな考察はあると思いますが、顔が大きい方が主義、主張が通りやすいことも顔の大きいことによる利点かもしれません。

今回は社長の身体的な特徴について書きました。

しかし、会社を運営するのは身体的な特徴だけでなく、勉強や努力も必要です。

日々の努力を怠らないことが事業継続につながっていくのです。

特にビジネスやコミニケーションなど会社経営にとって大切な心理的なスキルもたくさんあります。

それについてはまた次の機会でお話しさせていただきます。

皆さんの学びに少しでもお役立ていただければ幸いです。

 

【参考文献】

エレウィンの研究は

Wong, E. M., Ormiston, M. E., & Haselhun, M. P. 2011 A face only on investor could love: CEO’s facial structure predicts their firm’s financial performance. Psychological Science, 22, 1478-1483.

キャッシュレス化はお得か【現金を使うことの心理的抵抗】

こんにちは伊勢です。

ですこのブログではビジネス、教育、恋愛など皆さんの身近に起こる様々な現象を心理学的に考察していきます。

今回のテーマは「現金支払とキャッシュレス化」についてです。

皆さんは現在モノを買うときや何かサービスを受けるとき現金で支払いをしていますか?

現在はキャッシュレス化が進み、現金を持ち歩かなくてもモノが購入できたり、様々なサービスを受けることができたりします。

クレジットカードカードも普及し、その場で現金を持っていなくてもモノを購入することができます。

キャッシュレスのサービスもが大きく進歩し、国や時代もキャッシュレス化を推し進めていますが、果たしてキャッシュレス化は本当に便利で皆さんにとって有益なものなのでしょうか。

ここでキャッシュレス化について考えるにあたり、現金を使うことによる心理を見ていく必要があります。

現金を支払うことによる心理を明らかにした研究がありますのでご紹介します。

ソーマン(2003)は商品価格の提示方法や代金の支払い方法の違いで支払許容額(個人がある商品に支払ってもよいと考える最高額)が変化する心理として「支払いの実感度」を提唱しました。


【支払いの実感度とは】
①現金での支払いは資源の減少を目の前で目撃することにより、支払いの実感度は高くなり支払許容額は低くなる。
②逆にクレジットカード支払いやオンライン決済は資源の減少が見えにくいため、支払いの実感度は低くなり、支払許容額は高くなる。
③現金に焦点を当てても硬貨よりも紙幣の方が支払いの実感度は低くなる。

 

この研究による支払許容額というのは「個人がある商品に支払ってもよいと考える最高額」であって個人で額は変わってきます。

つまり、この実験では現金を使うことの方がキャッシュレス化された支払いよりもお金を使うことに抵抗があることを明らかにしています。

逆を言えば現在キャッシュレス化が進み、支払い許容額が高くなることによりサービス提供者は得をする可能性があります。

現金で支払うこともキャッシュレス化を進めることもどちらもメリットとデメリットがもちろんあります。

キャッシュレスで買い物する時は、現金で支払うよりも支払う額が高くなってしまう事実を知っておくことは重要です。

皆さんの学びにのお手伝いができれば幸いです。

 

【参考文献】

ソーマの研究は

oman, D.(2003)The Effect of Payment Transparency on Consumption: Quasi-experiments from the field, Marketing Letters, 14(3), 173-183.

 

イケメンや美人が得ばかりするのか論争【根拠を持って決着させます】

こんにちは伊勢です。

このブログではビジネス、教育、恋愛など皆さんの身近に起こる様々な現象について心理学的に考察していきます。

本日のテーマは「イケメンや美人が得ばかりするのか」についてです。

前回のブログで外見的魅力(イケメンや美人のこと)がある人が、初対面の人から親切にされることを書きました。

その時のブログについてはこちらをご覧ください。

isetada.hatenablog.com

 

もちろん人との関わりなので、外見に自信のない人でも、コミニケーションをしっかりとることで周りの人から優しくされる事は大いにあり得ます。

では外見的魅力がある人が、常に他人から優しくされ、得をするものなのでしょうか。

外見的魅力は人の印象を決める上で重要な手がかりになりますが、人との関わりや使い方によってはマイナスに働くこともあるようです。

外見的魅力がマイナスの方向に働いてしまうことを明らかにした研究があるので見てみましょう。

外見的な魅力が悪い方向に働くことはあるかどうかをシガールとオストローブ(1975)は「模擬裁判実験」をとして明らかにしました。

 

実験内容
①実験参加者は模擬裁判で容姿の異なる女性の写真を見て、被告に対してどのくらいの刑罰が適当かを判断する。
②犯罪は「盗み」と「詐欺(男性をだましてお金を取る)」の2種類。
③被告人は3種類の女性(A.魅力的、B.魅力的じゃない、C.写真なし)。
④外見的な魅力のちがいで刑罰の重さに違いはあるのか。

実験結果
①「盗み」に関する刑罰においては「A.魅力的な女性」は他の2人(B,C)に比べて刑罰が軽くなった。
②しかし、「詐欺(男性をだましてお金を取る)」に関する刑罰においては「A.魅力的な女性」は他の2人(B,C)に比べて刑罰が重くなった。
③美人な女性はその美貌の利用の仕方を誤ると評価を落としてしまう。

 

この研究から言える事は一般的なマイナスな事象に関して言えば、外見的魅力がプラスに働きそうですが、一度その外見的魅力を利用したと判断された場合、通常よりも重い反応が返ってくることがわかります。

簡単に言えば、

 

「可愛いのはわかるけどあまり調子に乗るなよ」

 

ということになります。

以前あるテレビ番組で、美人が得をすることをこの実験を出して主張していました。

この実験は外見的魅力は良い方向にも悪い方向にも働くことを主張しているにも関わらず、番組の都合で一部のみ切り取られて放送されていたことに腹立たしさを感じたのを覚えています。

外見的な魅力は環境によって、立場によって、評価する人の好みによっても変わってきます。

人の第一印象を決める上でとても重要な要素になりますが、やはり謙虚にそしてしっかりと人とコミュニケーションを取れる人が信頼関係を築けることを研究です。

私も、嘘偽りなく、皆さんの学びのお手伝いができると幸いです。

 

【参考文献】

シガールとオストローブの実験は

Sigall,H. Ostrove, N(1975)Beautiful but dangerous : effect of offender attractiveness and nature of the crime on judgment. Journal of Personality and Social Psychology. 31. pp.410-414.